令和4年度第2回セミナー 東北大学名誉教授綬 木島明博先生

学術交流を通してみたロシア-心優しいロシアの人々

 

1991年(平成3年)12月26日ソビエト連邦が崩壊し、ロシア連邦が発足した翌年、1992年(平成4年)8月8日から18日、初めてロシアに渡航しました。

 

ビザは2か月前より申請しましたが、パスポートと一緒に戻ってきたのは出発当日の仙台空港。チャーター便に乗り込むと蒸暑い機内、ジュラルミンむき出しの機体内部、離陸すると急激に寒くなりました。

 

その後ハバロフスクでの航空機の待ち合わせに丸1日、途中チタに降りて空港内へ真暗な滑走路を歩かされ、暫くしてから同じ機体に戻りました。

 

目的地のノボシビルスクに着陸したときは11日午前2時すぎ。こんな国には二度と来たくない。チャンスがあっても来まいと決意しました。

 

しかしその後、通算22回の訪露、ウラジオストック、ナホトカ、ハバロフスク、イルクーツク、ノボシビルスク、ニジニノブゴロド、モスクワ、サンクトペテルブルグ訪問など、ロシア各地での学術交流、人的交流が続くことになりました。なぜか。

 

本セミナーにおいて、学術交流内容を中心に置くのではなく、各地におけるロシアの人々との交流を通して得られた体感を短いエピソードにしてお話しすることによって、最初の衝撃、過去の誤解、思い込みから解き放たれていく感覚をお伝えし、私の感じたロシア、ロシアの人々をみなさまにも感じていただきたいと思います。

 

【木島明博先生の略歴】

 1953年3月東京生まれ、1971年東北大学入学、1981年 東北大学大学院博士後期修了(農学博士)、高知大学助手、1987年 東北大学助教授、1996年 教授。学内では東北大学副学長・総長補佐、高等教育開発推進センター長、キャリア支援センター長、学生相談所長、ロシア交流推進室長を歴任、学外ではNPO法人OUEN JAPAN理事、東北大学応援団OB会(城萩会)会長、東日本大震災復興事業「東北マリンサイエンス拠点形成事業(海洋生態系の調査研究)」代表研究者。現在東北大学特任教授(客員)社会連携コーディネーター。